日本で新車販売された車の多くは、米国連邦自動車安全基準(FMVSS)やEPA排出ガス基準の認証を一度も受けていません。年式の新しい車は、そのため公道用として米国へ輸入することが通常できません。年式が十分に古くなると、連邦レベルの2つの年数免除でこの壁の大半がなくなります。本記事では、その2つの免除、必要な申告書類、関税、そして日本の輸出車を買う人がつまずきやすい日付の落とし穴を解説します。
本記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。船積み前に、米国の通関業者(customs broker)に具体的な申告内容を確認してください。
結論
- NHTSA(安全):製造から 25年以上 経過した車両は、FMVSSへの適合を問わず輸入できます。25年は製造日から数え、モデルイヤーではありません。
- EPA(排出ガス):製造から 21年以上 経過し、オリジナルの未改造状態である車両は免除されます。EPAは暦年で数えます(輸入年-製造年)。
- 書類:入国時にCBPへ DOT HS-7(Box 1)と EPA 3520-1(コードE)を提出します。
- 関税:乗用車は原則として支払価格の 2.5% です。
NHTSAの25年ルール
NHTSAによれば、製造から25年以上経過した自動車は、FMVSSに適合しているかどうかにかかわらず合法的に輸入できます。申告は HS-7のBox 1 で行い、製造日を記入します。NHTSAは、25年の期間は車両の製造日から起算すると明記しています。
つまり月単位で判定されます。2001年6月製造の車は、1月1日ではなく、25年を迎える2026年6月から対象になります。基準は米国に入国する日の車齢なので、25年を迎えた後に到着するよう船便を組んでください。早すぎる申告は連邦書式への虚偽申告になります。
メーカーが車体に固定したラベルに製造日がない場合、NHTSAは別の証拠を挙げています。最初の販売日がわかる請求書、25年以上前に登録されたことを示す登録書類、それもなければ公認の自動車歴史団体による証明書です。
25年未満で米国認証のない車は、Registered Importer(登録輸入業者)経由でしか輸入できません。NHTSAがその車種を輸入可能と認定していることが前提で、車両価格の150%のDOTボンドも必要です。日本仕様車の多くでは現実的ではありません。
EPAの21年免除
EPA様式3520-1のコードEは、製造から21年以上(輸入した暦年-製造した暦年)で、オリジナルの未改造状態の車両に適用されます。実務上のポイントは2つです。
- エンジン載せ替えで対象外になることがあります。交換エンジンは、オリジナルと同型式であるか、輸入車両より古くない認証車両の後処理装置付き認証エンジンである必要があります。判断に迷う場合、EPAは船積み前に輸入ホットラインへの相談を勧めています。
- 改造車は別ルートになります。大きく改造された車は、NHTSAの25年要件を満たしても、EPAのオリジナル状態要件を満たさないことがあります。その場合はIndependent Commercial Importer(ICI)経由の輸入が必要です。
1968年1月1日より前に製造されたガソリン車は、EPAの排出ガス規制の対象外です。どちらのルールでも、CBPは車齢の証明を求めることがあります。
日本の書類の落とし穴:初度登録は製造日ではない
日本から輸出する車は抹消登録を行い、運輸支局が 輸出抹消仮登録証明書 を発行します。この証明書に記載されるのは 初度登録年月 であり、製造日ではありません。
- 日本で新車販売された車は、初度登録が製造直後であることが一般的です。ただし25年の境目では、1か月の差が輸入できるかどうかを分けます。
- もともと日本に輸入された車(欧州のクラシックカーなど)は、日本での初度登録が製造よりかなり後になることがあります。
NHTSAは製造日から数えるため、入札前に製造日の証拠を確保してください。メーカーのラベルや生産証明書、メーカー記録と照合した車台番号、または前述のNHTSAが挙げる書類です。購入前に、車台番号プレートと製造ラベルの写真を依頼しましょう。
関税と追加関税
CBPが示す外国製車両の一般的な関税率は次のとおりです。
| 車種 | 関税率 |
|---|---|
| 乗用車 | 2.5% |
| トラック | 25% |
| 二輪車 | 無税または2.4% |
関税は支払価格(または支払うべき価格)に基づくため、売買契約書が重要です。一部のバンやピックアップはトラックに分類され、税率が2.5%から25%に変わります。
2025年4月3日以降、CBPは多くの輸入乗用車・小型トラックにSection 232の追加関税を課しています。CBPのガイダンス(CSMS #64624801)では、入国年より25年以上前の年に製造された車両は、品目番号9903.94.04により 追加関税0% です。2025年以降、関税政策は頻繁に変わっているため、船積み前に通関業者へ最新の税率を確認してください。
書類チェックリスト
| 書類 | 発行元 | 用途 |
|---|---|---|
| 輸出抹消仮登録証明書 | 運輸支局 | 日本での抹消を証明し、初度登録年月を記載 |
| 売買契約書・請求書 | 売主 | 関税の課税価格の根拠 |
| 船荷証券(原本) | 船会社 | CBPの通関に必要 |
| DOT HS-7(Box 1) | 輸入者または通関業者 | NHTSAの25年免除を申告 |
| EPA 3520-1(コードE) | 輸入者または通関業者 | EPAの21年免除を申告 |
| 製造日の証明 | メーカーまたは歴史団体 | 両方の免除の裏付け |
| CBP Form 7501 | 通関業者 | 州のDMVでの名義登録に使う輸入証明 |
手順
- 製造日の確認:輸出抹消仮登録証明書の日付ではなく、到着予定日の時点で25年以上であることを確認します。
- オリジナル状態の確認:コードEが使えるよう、エンジンと排出ガス装置がオリジナル仕様か確認します。
- 購入:当社の USSオークション代行 で入札するか、在庫車から選びます。
- 輸出と海上輸送:抹消登録、輸出抹消仮登録証明書、RoRo船・コンテナの手配は 輸出ガイド で解説しています。
- 米国の通関:通関業者がHS-7と3520-1を添えて輸入申告し、関税を納付します。
- 州での名義登録:州ごとに規則が異なり、連邦の免除とは別に独自の排出ガス規制を設ける州もあります。
すでに条件を満たす左ハンドルのポルシェ911
当社の現在の在庫2台は、どちらもNHTSAとEPAの年数要件を大きく上回り、左ハンドルです。
- 1974年 ポルシェ 911 2.7:製造から52年、2,687cc水平対向6気筒、5速MT、左ハンドル。
- 1992年 ポルシェ 911 カレラ2(964):製造から34年、3.6L空冷水平対向6気筒、5速MT、左ハンドル、初度登録1992年5月。
どちらも船積み前に、通関業者がHS-7と3520-1を準備するための書類をご提供できます。
よくある質問
25年ルールはモデルイヤーで数えますか?
いいえ。NHTSAは製造日から数え、モデルイヤーと実際の製造時期は異なることがあります。EPAの21年ルールは暦年(輸入年-製造年)で数えます。
25年を迎える前に船積みしてもよいですか?
はい。米国に入国する日に25年以上であれば問題ありません。早着に備えて余裕を持たせてください。1週間早く着けば、まだ25年未満です。
25年以上の車でも登録輸入業者(RI)は必要ですか?
NHTSA側では不要で、Box 1の申告にRIは要りません。EPA側では、オリジナル状態でない車はICIが必要になる場合があります。
日本から輸入すると関税はいくらですか?
原則として乗用車は2.5%、トラックは25%で、支払価格に基づきます。CBPのガイダンスでは、入国年より25年以上前に製造された車両にSection 232の追加関税はかかりません。最新の税率は通関業者に確認してください。
右ハンドルは問題になりますか?
25年免除で輸入する右ハンドル車を禁じる連邦規則はありません。なお、上記の911は2台とも左ハンドルです。
ClickCarは日本のオークションで代理入札できますか?
はい。USSオークションで代理入札し、日本からの輸出手続きまで対応します。手数料は購入価格に対する一定割合で、入札前に合意します。詳しくは USSオークション代行 をご覧ください。