走行距離改ざんは、今の日本にもあるのか?

走行距離改ざんは、かつて日本の中古車市場でも問題になっていました。機械式メーターの時代は表示距離を操作しやすく、現在よりも発生しやすい環境でした。

しかし現在は状況が大きく変わっています。デジタルメーターの普及、2017年以降の車検証記録の強化、日本自動車査定協会(JAAI)の走行メーター管理システムにより、改ざんの難易度は高くなっています。

2010年代以前
高リスク
2017年制度強化後
中リスク
2021年法規強化後
低リスク
現在の市場
非常に低い

注意:少ないからといってゼロではありません。高額なスポーツカーや輸入高級車では、走行距離の差が価格に大きく影響するため、特に慎重な確認が必要です。

走行距離改ざんを見抜く5つの方法

01
自分で確認 · 最速

車検証の走行距離記録を確認する

最初に見るべきなのは車検証です。2017年1月以降、車検証の備考欄には過去の走行距離表示値が記録されます。通常は時間とともに距離が増えるため、過去の記録が現在表示より大きい場合は注意が必要です。

距離の増え方も確認しましょう。日本の自家用車は年間6,000〜7,500km程度の使用が多いため、年式に対して極端に低い表示は慎重に見ます。

ポイント:車検証の原本を確認し、「走行距離計表示値」と「旧走行距離計表示値」の整合性を見ます。

02
自分で確認 · 必須書類

メンテナンスノートと各種ステッカーを確認する

ディーラーや認証工場で整備された車両は、メンテナンスノートに当時の走行距離が記録されることがあります。オイル交換ステッカーやタイミングベルト交換記録も重要な手がかりです。

メーター操作後に「記録簿を紛失した」と説明されるケースもあります。整備記録がないこと自体が注意すべきサインです。

注意点:記録簿がない · ステッカーが剥がされている · エンジンルームが不自然に清掃されている · 記録と表示距離が合わない

03
目視確認 · 経験が必要

車両各部の摩耗状態を見る

摩耗は全体を自然に偽装しにくい部分です。表示距離が低いのに次の箇所の使用感が強い場合は注意します。

ステアリングとシフトレバー——常に触れる場所のため、劣化が距離感と合うか確認します。

ブレーキペダルのゴム——摩耗が大きい場合、長期間使用されていた可能性があります。

サイドシルとドア周辺——乗り降りによる擦れは完全には消しにくい痕跡です。

タイミングベルト交換記録——表示距離が低いのに交換記録がある場合、理由を確認します。

04
専門機器 · 精度が高い

ECUデータを照合する

現代の車両では、走行に関する情報がメーターだけでなく、エンジンECU、トランスミッション制御、ABSなど複数のユニットに残る場合があります。

メーター表示が変更されていても、各ユニットのデータに矛盾が残ることがあります。専門診断機で複数データを照合すると、改ざんの可能性を見つけやすくなります。

実務上の価値:高額車、スポーツカー、輸入高級車では特に有効な確認方法です。

05
公的確認 · 強い根拠

JAAIの走行メーター管理システムを確認する

日本自動車査定協会(JAAI)の走行メーター管理システムには、オークション流通時の走行距離記録が蓄積されています。過去にオークションへ出品された車両であれば、履歴確認の手がかりになります。

複数回オークションを通過している車両では、走行距離の推移を確認しやすくなります。記録がない場合も、書類、摩耗、ECUデータと合わせて総合判断します。

注意:オークション履歴がない車両では記録が出ない場合があります。それだけで問題車とは限りません。

5つの方法の難易度と有効性

方法難易度費用有効性向いている人
① 車検証の確認 簡単無料★★★★すべての買主
② 整備記録の確認 簡単無料★★★★すべての買主
③ 摩耗の目視確認 中程度無料★★★経験のある買主
④ ECU照合 専門的依頼が必要★★★★★高額車両
⑤ JAAI確認 専門的約¥1,500★★★★★オークション流通車

実務上は、まず最初の3つを組み合わせて確認し、不安がある場合や高額車ではECU照合やJAAI確認を追加するのがおすすめです。

日本中古車の走行距離が比較的信頼される理由

日本では自家用車の年間走行距離が比較的短く、整備文化も根付いています。ディーラーや認証工場での整備記録も追いやすい傾向があります。

法制度の強化により、中古車販売時の走行距離記録や説明責任も重要になっています。走行距離改ざんは単なる信用問題ではなく、法的リスクにもつながります。

結論:日本の中古車市場は比較的透明ですが、購入時は書類、記録、摩耗、システムデータを組み合わせて確認することが大切です。

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